幼恋。
6章
振られんぼ
椛と2人で家出をしてから早数日。
今日から新学期が始まる。
まだお正月モードの人もいるけど、私は数日間の家出の間もまだ心の整理がつかないままだ。
「まさか、おりはが家出だなんてね」
架子ちゃんには事情を話しておくと、架子ちゃんは困ったように笑った。
そう、椛と2人で今いるのは椛の隠れ家的な倉庫。
お風呂は銭湯。ご飯は何か買うか食べに行くか。
荷物は椛が家に取りに行ってくれた。
少し不自由な生活だし、倉庫だから安心できる場所ではないけど椛が居るから快適に思える。
「この短い冬休みの期間で色々ありすぎでしょ〜、木下くんと付き合うし家出するし、母親が違うだなんて」
「うん…」
「まぁ、おりはが落ち着いたら親御さんの話しなよ?」
「うん」
いつまでも逃げられないのはわかってる。
多分椛が説得してくれてるから、探されたりとかはしてないのも何となくわかってる。
でもやっぱりどんな顔して合えばいいのか分からないし、お父さんとお母さんを見ると息が苦しく感じるんだもん。
「おりは、帰るぞ」
「え?」
「引越しだ」
私と架子ちゃんが話していると、椛がそう言って私の手を強引に引いて歩き出した。
その後ろをニコニコと有澤くんも一緒に着いてきている。