幼恋。
帰り道、旬佑と2人歩いてて無言だったのを旬佑が無言をさえぎった。
「叶、いいのかよ」
「仕方ないよ。選ばれなかったのは僕なんだから」
「でもよう…お前あんなに好きだったのに…」
「それは椛も一緒だよ。
むしろ椛の方が身を呈して守ってるよ」
旬佑の僕を心配してくれてる気持ちはわかるけど、事実自分の身を削って守ってたのは椛なのだ。
嫌われてもいいからおりちゃんを守りたいと手段選ばずに今まで生きてきた。
モテるおりちゃんを不良から守るためにそいつらと仲良くして力つけたり
それが世間的に良くなくてもおりちゃんは良しとしてたから正解なんだろう。
でも僕は嫌われるのが怖くて優しくするしかできなかったし、亜美さんのことも黙ってた。
言えば俺も椎達と同罪だ。
「お前それで沖田ちゃんのこと諦めれるのか?」
「無理だねー。
無理して諦めないでしばらく好きでいるよ」
気持ちは伝えないからせめて好きでいさせてもらおう。
そう旬佑に言うと
旬佑はうんうんと何度も頷いた。
「わかるよ、俺も架子のこと忘れられないもんな〜。まぁ俺の場合自業自得だけど」