幼恋。
先輩と架子ちゃんに連れられて、中庭のベンチに座ると
架子ちゃんが私に笑顔を向けてきた。
「私ずっと旬佑からおりはの話聞いてたんだよね、だから友達になりたかったの!」
「そうそう、叶を通じてちょこちょこ話してただろ?その話を架子にして、架子が友達になれるのを伺ってたらしい!」
2人が笑顔でそう説明してくれて、架子ちゃんが私と友達になりたいと思ってくれた理由がわかった。
つまりは旬佑先輩のおかげで、叶ちゃんのおかげで友達になれたってことなんだね。
感謝しなくては。
「食べるの誘ったけど、叶と2人が良かったか?」
架子ちゃんと友達になれて良かったと改めて感じていると、先輩はそう言って眉を下げた。
「いえ!みんなで食べた方が楽しいですよね」
「おー!よかった!
まぁ、叶は沖田ちゃんと2人が良かったかもしれないから週2くらいで2人にしていいからな!」
「ちょっ!旬佑!」
先輩の気遣いに慌てたように声を上げた叶ちゃん。
旬佑先輩は私と叶ちゃんの2人の時間を無くさないように気を使ってくれてるとか本当に優しい。
叶ちゃんの周りの人はみんな優しいから叶ちゃんのクラスに行くのは苦じゃないんだよね。
「そういえば叶ちゃん、さっき椛と揉めてなかった?」
何故か慌てたように旬佑先輩の口を塞ぐ叶ちゃんに私が尋ねると、叶ちゃんはんーっと躊躇うような仕草をした。