幼恋。
椛とおりは
椛が失踪してから5日。
叶ちゃんと架子ちゃん、旬佑先輩に相談したら数日で戻るかもしれないから大事にせず探そうってことになって探してたけどなかなか見つからない。
有澤くんも連絡はないと言うし…。
「学校も行かずどこに行ってるんだろう…」
私が帰りのホームルーム中思わずそう呟くと、隣にいた裕太くんが顔を覗き込んできた。
裕太くんは椛と付き合ったことを報告すると
『食い下がるのはダサいし俺は潔く身を引くよ』
と言って今は普通に友達として仲良くしている。
「まだ木下くん見つからないのー?」
「うん、どこに行ったんだろう…」
「俺も一応それっぽいとこ探してるけど見つからないよ」
一応、椛の両親の律さんと花さんと、お父さんお母さんすずはにも言ってるけどみんな見つからないみたい…。
どうしようと頭を抱えていると、いつの間にかホームルームが終わっていたようで有澤くんが私の机の前にやってきていた。
「沖田ちゃん心当たりとかないの〜?
俺も、椛の交友関係全部に当たってみたけどダメなんだよね〜」
「それが全くわからなくて…」
「正直、椛の近くにいて何も気づかないってありえないでしょもし家出なら〜。
何見てたの〜?」
有澤くんの言葉に返す言葉もなく
私が俯くと、隣の裕太くんが『おい』と口を開く。