幼恋。
「椛くんはこのまま放っておいたら間違いなく死ぬね。
椛くんを助けたかったら、おりはちゃんは俺と永久に一緒になる。
おりはちゃんを自由にするなら椛くんはこの怖いお兄さん達に処分してもらう。
どっちがいい??」
おじさんの言葉に私はもう一択しか無かった。
椛がこれだけ体を張って助けてくれた。
それなら私にできることは一つだけだもん。
私は死にはしない。
でも椛は命がかかってるんだから。
「椛を…助けてください」
驚く程迷わなかった私の言葉に椛は顔を上げて地面を叩く。
その行動すらもキズに響くのか痛みに顔を顰めながら口を開いた。
「ふざけんな!!俺のことはいい!!おりはは自分のことだけ考えろ!!
早く椎に診てもらえ!!じゃないと妊娠するかもしれねぇぞ!!!ふざけんな!!そんなの俺が許さねぇ!!」
痛みに顔を顰めながら叫ぶ椛だけど、私の心は変わらなかった。
だってもうどうせあんな写真撮られたんだもん。私の人生終わったよ。
平凡になんて生きていけない。
死んだ方がマシ。
それを少しでも大好きな椛を守れるならそれでいい。それでいいの。
「椛、お父さんにちゃんと怪我治してもらってね」