幼恋。
捜索
【椛side】
俺が目が覚めたのは病院のベッドの上だった。
おりはが色んなやつと行為されるのを絶望しながら眺めるしかない自分を殺したい気持ちで声を聞いていたのは覚えてる。
でもそれ以降はどうしたのか全く記憶がなく、心配そうな顔でおりはの親の椎と美咲とすずは。
それから叶と俺の両親も珍しくいて、まだおりはは帰ってきてないのだと悟った。
「椛、無事でよかった」
重い空気の中口を開いたのは俺の治療をしてくれたであろう医師でおりはの父親の椎。
「お前傷だらけの中、河原に倒れてたんだよ。
死んでるかと思って心配した」
椎はそう言って笑いかけてくれるが、いっそ死んだがよかったと思ってしまった。
てか、椎は娘をあんな目に遭わせて自分だけ助かった俺を殴り飛ばしたいんじゃないのか?
そんな俺の気持ちを知ってか知らずか、椎は口を開く。
「叶からおりはから変なメッセージが来たって相談されてすぐマンション行ったり警察に相談したりしたけどまだおりはは見つかってない」
「……」
「マンションの防犯カメラに犯人らしき人がうつってたから手がかり探ってるけどほかは全く。どこに行ったかも分からない」
椎の言葉に続いておりはの弟のすずはも口を開いた。
「マスコミはこういうの話題になるからね、凄いよってたかられてるよ」
「……」
「姉ちゃんの顔も名前も全部出されて、椛が帰ってきたのも全国ニュース。
色んな憶測が飛び交ってて姉ちゃん可哀想」
普段クールなすずはも顔を歪ませるってことはそんなに話題になってるんだろうな。
「椛、どういう経緯でそうなったの?
ちゃんと説明して」
俺がなんと言葉を発していいか躊躇っていると、父親がそう言ってきた。