幼恋。
耐え難い事実
車の中で男の人は山田 潤(やまだ じゅん)さんと名乗った。
どうやら1度おりちゃんと椛が倉庫にいる時に面識があるらしく椛と知り合いだし顔も広いからと色々駆け回ってくれていたみたい。
それで潤さんの案内通り隣の隣の県の山奥にやってきた。
「ここか」
「そ、色々探してたらこのあたりのヤクザグループに1年くらい前に用心棒的なのを頼んだおっさんがいるって聞いてな。
どうもそれが高校生ともヤれるとかって条件だったから気になってな」
「お前ヤクザとも繋がりあんのかよ」
「まぁ〜俺らの県の下っ端の人たちとな」
「ふぅん」
椛と潤さんの少し物騒な話を聞きながらこの山の中にあると不気味さの増す廃墟を見上げる。
本当にここにおりちゃんがいるの?
「ここいらの連中はあんまりいい奴らじゃないらしいからそいつらと繋がってたならその誘拐犯もやばいやつかもだから気をつけろよ」
「おう」
「俺は外で犯人が逃げないように見とくわ」
「あぁ。頼むわ」
潤さんはグッとポーズを椛に送って、少し離れたところで逃げないように見張る目付きに変わった。
一体何者なのか分からないけど潤さん頼りになるなぁ…。
「行くぞ」
僕と椎をみて椛は落ち着いた様子でそう言って廃墟へと臆することなく足を進めた。