幼恋。
1章
椛
ガシャン!!
部屋中に響くガラスの割れる音と共に、私の体は本棚へと叩きつけられた。
「バカじゃねぇの」
「ごめんなさい」
打ち付けた体の痛みより、目の前にいる人の逆鱗のどこに触れたのか分からずに思考を巡らせる。
目の前にいる私を蹴り飛ばした彼、
木下 椛(きのした もみじ)は幼なじみ。
昔から何かと意地悪をしてきたりしたけど、中学に上がったあたりからそれは悪化した。
前までは足を引っ掛けられたり、押されたりするくらいだったのが
なにか気に食わないことがあると殴る、蹴る、暴言。
何が気に食わないのか私が分からないから余計に怒らせて〜の繰り返し。
「もういいお前でていけ。鬱陶しい」
「ごめん」
「チッ」
これ以上逆鱗に触れないよう、椛の部屋から出ようとしたところで最後に舌打ちをしたあと
ペン立てを投げつけられたのは言うまでもない。