幼恋。
【おりはside】
私がコーヒー牛乳と、先輩と架子ちゃんの飲み物を買って戻ると楽しそうに話している3人がいて
話の内容はわからなかったけど、私も早くあの輪の中に入れるようになりたいな。なんて思った。
「おりは!一緒に帰ろ!」
放課後、私が帰ろうとカバンを持つと、架子ちゃんがそう言って近づいてきてくれた。
もちろん私は頷いて2人歩き出すと、
「ちょっと椛〜!なんで今日はダメなの〜?」
「だからほかの女と遊ぶっつってんだろ。
お前昨日遊んだじゃん。なに?満足じゃねぇの?欲深いな。きもいよ」
「そんな言い方しないでよ〜!
あたしは椛の彼女になりたいだけなのに〜」
「彼女作らねー主義なんで。価値観違うなら二度と遊ばねぇ」
「ちょっと!ごめんって〜!」
廊下に出ると、そんな会話を椛と気の強そうな女の子が言い合っているのが聞こえてきた。
それから周りのガラの悪い男友達と笑いながら帰っていくのを見届ける。
私はその姿を見て、昨日のタバコやお酒が浮かんではどうしようも無いもどかしさに駆られる。
「おりは?」
「あ、ごめん!どうしたの?」
私がぼーっと椛のことを考えていたから、架子ちゃんが心配そうな顔で見つめていた。
私が謝ると、架子ちゃんは再び歩き出しながら私の顔を覗き込む。
「おりはは木下くんのこと好きなの??」
「椛のこと?」
「そう、王子のこと好きなわけじゃないなら木下くんのことかな?と思って」
架子ちゃんのその言葉に私は少し考える。