幼恋。
私は2人のことは大好き。
叶ちゃんはもちろん優しくて可愛くて、いつだって私を気にかけてくれたり、元気付けてくれる存在。
椛は言動は確かに良くないし、暴力されるのは痛いけど、本当は誰より優しくて傷つきやすいのを知っているから支えてあげたいって思う。
本人はそんなの望んでないだろうけど。
でも、その2人への気持ちが恋愛なのかは分からない。
私が考え込んだのを見兼ねたのか、架子ちゃんがくすくすと笑って頭を撫でてきた。
「ごめんごめん、難しい事聞いたよね」
「ううん、大丈夫。
ただ、恋愛感情がどんなものか分からなくて…」
ずっと恋愛はしたいとは思ってる。
友達が出来て、恋愛をするのが私の夢のようなものだったから。
でも今は友達ができた夢は叶ったから、あとは恋愛だけなのにそれが全く分からないのだから救いようがない。
「恋愛感情が分からないかぁ…。
人それぞれ違うとは思うけど、私はこの人と一緒にいたら楽しいとか、ずっとこの人と支え合って助け会えたら素敵だなって思う人が好きな人かな」
架子ちゃんはそう言って笑った。
その姿が可愛くて、大人っぽくて
やっぱり恋愛は素敵だな、なんて思う。
「いつか私にもできるかな」
「できるよ、大丈夫だよ。ゆっくりでいいさ」
私のつぶやきに優しい言葉をかけてくれた架子ちゃんのおかげで本当に大丈夫なような気がして少しだけ自信が出た。
架子ちゃんの恋愛感情と、私の恋愛感情は違うかもしれない。
それでも焦らなくてもいいんだよね。