幼恋。
【おりはside】
ふわふわと頭を撫でられた感覚で私は夢から少しずつ覚醒していて、起きようとしたら裕太くんと椛が真剣な話をしていたから起きれずずっと寝たフリをしていた。
裕太くんの鋭い言葉に言葉を返さなかった椛の表情は見れなかったけどつらそうなのは雰囲気で感じとれて、私まで苦しくなった。
私のせいで椛を今でも苦しめてる。
そう思うと耐えられなくて私の目からは涙がポロポロとこぼれる。
「やっぱり、起きてた」
大学にいるはずの叶ちゃんは、私の顔を見てそう言って笑うと優しく頭を撫でてくれる。
「おりちゃんが過呼吸になったって聞いて講義終わったから来てみたんだ。大丈夫?」
優しい叶ちゃんは私のないている理由は聞かずに陽だまりのような笑顔でそう聞いてきて、私もようやく涙が止まった。
「ごめんね叶ちゃん、大丈夫だよ」
大丈夫大丈夫。
こんなに迷惑かけて消えたい死にたいなんていつも考えてる事だもん。
何も変わらないから。
そんなことは口に出せず、叶ちゃんに笑いかけると裕太くんが私の近くにやってきた。
「聞いてたって知らなくてごめんな〜」
「ううん、平気だよ」
裕太くんがなぜ椛にあんなに強く言ったのかは分からないけど笑い返すも、叶ちゃんは真剣な顔で私を見ているのに気がついた。