幼恋。




「叶ちゃん?」






あまり叶ちゃんのこんなに真剣な顔は見ないから声をかけると、叶ちゃんはすぐに笑顔になる。




でもあんな顔するなんてなにか考え込んでいたんだよね。






「帰ろうかおりちゃん」



「うん」






私がもう大丈夫そうなのを見計らってか、叶ちゃんは私の手を引いて立ち上がらせてくれる。






「ごめん、僕とおりちゃん2人で帰っていい?」






私の手を引いたまま叶ちゃんは3人にそう訪ねると、3人は頷いてくれてそのまま叶ちゃんと2人歩き出す。




叶ちゃんの手は暖かくて割れ物を触るかのような手の繋ぎ方で優しい。






「おりちゃん、なにか悩んでることとかある?
僕にはなんでも甘えてねって言ったよね?」



「え?」






優しい叶ちゃんは、そう言って優しい眼差しで私を見てくる。



私はその優しくて綺麗な叶ちゃんを見ていると、胸が苦しくなるように感じた。




こんなに汚くて汚らわしい私がこんなに綺麗で優しい人といていいのだろうか?


この前付き合ってからずっと
毎回毎回毎日毎日そう思ってしまうんだ。






「時々思い出しちゃって辛いけどあとは何も無いよ」






沢山沢山心配をかけてる叶ちゃんにはもう迷惑をかけたくなくてそう言うと、叶ちゃんは何か言いたげに口を開いたけど何も言わずに閉じる。






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