幼恋。




言葉を飲み込んだ叶ちゃんの隣を静かに歩く私。




沈黙になって、私はやっぱりこの世界に必要とされていない。いない方がいい存在ではないか。


そんなことを考え始めて息が苦しくなりかけるのを感じた。





辛い、苦しい。






「おりちゃん?」






だめだなぁ、私は弱い。


おじさんの顔が、犯されている時の光景が7ヶ月たった今も鮮明に思い出せて今すぐに死にたくなる。






「叶ちゃん…死にたいよ……」






辛くて辛くて苦しくて苦しくて。


そんなこと言ったら悲しませて困らせるって分かってるのに私はそんなことを叶ちゃんに言っていた。



弱音を吐きつつも私の手は自分の腕をガリガリと爪をたてて傷つけてしまう。



私は事件後からずっと辞めなきゃ辞めなきゃと思ってても気づいたらカッターで自分を傷つけてたりして生きてることに毎回絶望する。






「おりちゃん、大丈夫大丈夫。
僕がいるよ、僕はおりちゃんの味方だよ」



「ごめんなさい……こんなに汚い私なんて叶ちゃんの彼女、いや隣にすらいたらダメなのに……ごめんなさい…」






1度あふれ出た負の感情はなかなか止まることを知らずに溢れてきて、叶ちゃんに謝るしか出来なくなった。



早く開放されたいよ……。






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