幼恋。
「彼女は作らねぇ。作る必要もない。」
「どうして?」
よく女の子と遊んでいるのにいい人いないのかな?それとも理想が高いのかな?
なんて私の考えはお見通しなのか、ベジっと頭を叩かれてしまった。
「変な事考えるなよ。
別に彼女欲しいと思ったこともないし、いいと思うやつもいねぇしつまんねーしいらないって言ってんだよ」
「そうなんだ…」
「ま、今はお前で暇つぶしも出来てるしいいんだよ」
なんて言いながら立ち上がると、少しだけ椛は笑った。
その笑顔は昔と変わらず優しい顔で
やっぱり椛は根っから変わったわけじゃないんだよね、と思う。
「お前も俺の許可なしに誰かと付き合うとかすんなよ。」
「あはは、大丈夫だよ
私モテないから」
「そうだな、お前みたいなちんちくりんモテるわけないわ」
椛はさり気なく私をディスりつつ、リビングから出ていってしまった。
なんだか今日はよく恋バナっぽいことをしたなぁ。
まるで本当の女子高生みたい。
なんて変なことを考えながら私も自分の部屋へと戻ったのだった。