幼恋。
2章
谷くん
1学期はなんの行事とかもなく、平凡に過ぎ去っていき、明日から夏休みという今日。
私と架子ちゃんで叶ちゃんと旬佑先輩と帰るべく下駄箱へ向かっていると…。
「沖田さん」
そう、あと少しで下駄箱というところで男の子に声をかけられた。
なにか落し物でもしたのかな?
なんて思いながら振り向くと、隣のクラスの男の子。
名前は忘れてしまったけど…。
「ちょっと、話があるんだけど」
「ん?なに??」
「ここではちょっと…別のところに…」
隣のクラスの男の子からそう言われて近くの空き教室に手招きされたから架子ちゃんに待ってもらってついて行く。
多分話すの初めてだけどなんだろう??
教室に入って向き合うと、その人は口を開いた。
「えっと、俺、隣のクラスの谷 理央(たに りお)です」
「あ!私は沖田 おりはです」
谷くんの自己紹介に私も自己紹介で返すと、谷くんはクスッと笑う。