幼恋。
落ち着いて欲しくて抱きしめて居ると、バタバタと藻掻くが気にせずに抱きしめ続けた。
「おりは、安心しろ。お前を独りにすることはねぇから」
「怖い…怖いの」
「何がだよ」
「自分が自分で分からない」
グズグズと鼻を鳴らして泣いている様子のおりははそう言ってもがくのを辞めた。
「私が私じゃなくなるの。怖いけど怖くないの」
「……そうか」
理解したくともできない感情にどう返していいか分からない。
二重人格みたいになってるのかもしれないな…。
椎は入院したがいいかもと言ってたが、俺はやっぱりおりはをそばに置いておきたい。
「ごめんなさい汚い子で」
おりははそう言ってスイッチが切れたように力が抜けて眠ってしまった。
どうかおりはが安らかな睡眠を取れるよう…。
「おやすみおりは」
おりはの寝顔を見ていたら俺も寝れそうな気がしてそっと瞼を閉じた。