幼恋。
【おりはside】
ふと、目が覚めると私はとある場所に行かなくちゃと言う気持ちになった。
隣で寝てる椛を起こさないように、家を出るまでそっと静かに出て急いでその場に向かう。
「来てくれたんだね、やっぱりおじさんのこと忘れられないんだ」
「……忘れられない…」
そう、自ら望んでおじさんに抱かれた日に毎日このホテルの前で待ってると言われたから。だから来ないとと思って…。
でもどうして来たんだろう?
私が好きなのは椛で、おじさんのことは怖くてたまらないのに。
自分でももう分からない。
自分で何をしてるのか分からない。
ただ独りは寂しくて耐えられなくて怖くて。
心が綺麗な人と一緒にいるのはもう穢れた私は無理だから…。
「さ、寝かせないよ」
ホテルに入るなりそう言って口付けを落とすおじさんに私は頭ではダメだとわかっているのに抵抗できなかった。
どうしてこうなったんだろう?
私はいつからこんなになったんだろう?
怖くて不安な気持ちはこの人といる時だけは忘れて私も汚いやつだなんて思わずに夢中になれるんだ。
それからずっと私はもうおじさんのことだけしか考えられなくなった。