幼恋。
「海、行きたい」
突然みんなの言葉をさえぎっておりはがそういったから一瞬みんな固まった。
つーか海って。
「無理だろ。今冬だぞ」
「うん…。」
「じゃあせめて温水プールとかは!?
海みたいに楽しくはないかもだけど私が全力で楽しませるよ!」
俺の反対にしょげたおりはに架子がそう提案すると、少し嬉しそうに頷いたおりは。
「楽しみ」
そう言って笑うおりはをみて今は情緒が安定していると胸をなでおろした。
架子はそりゃもう嬉しそうにはしゃいでいて
こうしていると本当に平和だなと思うんだがなぁ。
「おりはと温水プール!
王子と旬佑も呼ぼうか!」
「うん」
架子の提案に密かに俺は嫌だなと思うが口を出さずにいよう。
叶も一緒とかまじで一日中一緒になるから嫌なんだよな。
昔から俺はあいつのお人好しで優しい性格が偽善に見えてならねぇ。
全く本人は偽善のつもりでもないし、俺の曲がった性格出そう見えるだけなのはわかるんだけど。
「どこの温水プールにしよっかー?」
俺が叶も来ることにうんざりしているのなんて気づいてもない架子は、おりはとそう言い合いながらどこの温水プールに行くかを決めていた。