幼恋。
「沖田さん、単刀直入に言うね。
俺、沖田さんが好きなんだ」
「えっ…?」
谷くんは真剣そのものの顔で私にそう伝えてきて、私の思考は一瞬停止した。
私今告白された…??
そんな、プチパニックになってる私に谷くんはまたも優しい笑顔を見せて声をかけてくれる。
「もし付き合ってる人とかいなかったら、付き合いたいなと思って。」
「私と?」
「他に誰がいるの?」
谷くんの言葉に返す言葉が見つからない。
私なんかを好きになってくれたのは凄く嬉しいことだし、ありがたい。
でも、付き合うって好きな人と付き合うってことだよね?
その考えで行くと答えはひとつかな。
「凄く嬉しい。
でも、私恋愛感情とかわからなくて…その、付き合うのは出来ない…です。ごめん…」
そう、ちゃんと好きな人と、好き同士付き合ったら素敵だろうなって架子ちゃん達見てて思ったから。
私が頭を下げて伝えると、谷くんはうーんと唸って私の顔を覗き込んできた。
「俺の事、嫌い?」
私の顔を覗き込んでそう聞いてくる谷くんを見て少し考える。
「嫌いじゃないよ?
でも、恋愛感情では多分ないと思うの」
話したばかりだし、と伝えると
谷くんはまたもやクスッと笑って私の頭を撫でた。