幼恋。
椎の車に乗った僕と架子ちゃん、旬佑、松村くん。
そしておりちゃんの母親の美咲さんにすずは。
さらに僕の両親間でもが車に乗り込んで、人数オーバーだったけどそんなの気にしている余裕もないくらい急いで海へと着くと
走りだった奏斗くんの方が先に着いていた。
「奏斗くん!」
僕が車から降りて急いで奏斗くんの、元に駆けつけると
奏斗くんは怒り、悲しみ、憎しみ、色んな表情で涙を流しながら手にスマホを持っていた。
「ふざけんな…ふざけんな椛!!!!!」
状況の読めない僕達なんて構わず、そう泣き叫ぶ奏斗くんを見る限りいいことなんて無さそうだな…と悟る。
「見せて?」
僕が奏斗くん飲もっているスマホを借りて画面を見ると奏斗くんがないている理由がわかった。
その画面には椛から奏斗くん宛のメッセージで
『今までありがとう。
とりあえず、探すな。そうみんなに伝えろ。
生きてたらまた会おう。』
そう、表示されていた。
「………。」
何も考えることが出来ない。
生意気だけど大切な弟と、昔から大好きなおりちゃん。
その両方を同時に失って
生きてるか死んでるかすら分からない。
それがあまりにも受けいれ難い僕は黙り込むしか無かった。