幼恋。
最終章
結婚式
〜〜
「旬佑、架子ちゃん、おめでとう」
おりちゃんと椛が海の向こうにいなくなってから見つかることも手がかりもないまま月日は経った。
僕と旬佑は28歳。
架子ちゃん達は27歳になった。
今日は架子ちゃん達の結婚式。
「旬佑先輩、もう浮気したらだめですよー」
「あはは、それは言うなよー!」
松村くんは旬佑にそう言って笑いかけるけど笑い事じゃないよね。
「おりはと木下くんも見てるかな〜」
架子ちゃんのその言葉にみんななんとも言えない表情ながら優しい顔になる。
この何年もの間、沢山泣いて沢山辛かった。
それでもここまで優しい顔で2人を思い出すことができるようになって良かったなぁ。
「椛はどんな大人になってどんな進路を歩んだと思う?
俺はずっと椛を目標にしてきたから居なくなってどう過ごしたらいいか分からないんだよね〜」
奏斗くんはそう言って俯いてしまった。
どうやら奏斗くんは椛を目指して椛にずっと着いてきていたみたい。
だから居なくなって大学なのか就職なのかなんの仕事をしたらいいのかどうやって生きたらいいのか指針がなくなってわからなくなったらしい。
確かに仲はいいと思っていたけど、そこまで椛に着いてきてくれていたのは驚きだよね。