幼恋。
「叶ちゃんは好きな人いないの?」
そう言えば今まで告白はされても付き合ったこともないみたいだし、好きな人の話も聞いたことないから何となくそう聞くと
叶ちゃんはうーん、と眉を八の字にして笑った。
「僕は居たとしても叶わないと思うな」
「どうして?」
「きっとその子には好きな人がもういるから」
「??」
切ない顔でそう言った叶ちゃんだけどよく分からない。
つまり好きな人がいるけど、その人には好きな人がほかにいるってことかな?
それとも好きな人は居ないのかな??
私がわかってないのを見透かしているのか
叶ちゃんはクスッと笑って私の頭を撫でた。
「それより僕はおりちゃんの傷の方が心配だよ」
「へへ」
叶ちゃんが撫でてくれたのは丁度さっき椛から投げられたペン立てが当たった場所だったから少し痛みが走った。