幼恋。
3章
気持ち
2学期
夏休みは夏祭り以外何も無く過ぎ、学校が始まって夏休み気分も抜け始めた頃。
お昼休み、架子ちゃんと2人でいつも4人でご飯を食べる屋上から教室に戻ってくると
架子ちゃんは不思議そうな顔をした。
「どうして谷くんは夏休みも夏祭りだけしかデート行かなかったのかな?しかも偶然居合わせただけ。
学校でも話しかけてくることもないじゃん?」
「んー…確かに?」
「それに連絡もほぼないんでしょ?
でも好きになってもらいたいって無理じゃない?」
架子ちゃんの言葉に本当その通りなのだと頷く。
本当に付き合ってるつもりなのか全く分からない。
なんというか…谷くんからは踏み込んで欲しくないような壁を感じるからこちらからも特に行けないから現状維持状態なんだよね…。
「谷くんのこと好きになれそう?」
「……まだ、分からない」
「そうだよね〜〜〜」
私の言葉に少しため息をついて仰け反る架子ちゃんに笑い返した。
好きになるも何も…まずそんな時点じゃないというか…。
やっぱり私には向いてないのかもしれない…。
でもどう伝えていいかも分からないし…。
そんなことをずーっとぐるぐる考えてるけど答えはまだ見えない。
私と架子ちゃんが話していると、突然後ろから頭を鷲掴みにされた。
「ちょっとお友達借りていくぞ」
「え?あ、うん?」
私の頭を鷲掴みにして、架子ちゃんの腕を掴んだのは椛。
椛が架子ちゃんに用事なんて珍しいな。