幼恋。




好きだということを否定しない。


それってやっぱり好きってことなのか…?



確かに言われてみれば私たち…王子にすら向ける目は冷たいことが多いのに
おりはに対しては冷たいけどどこか優しさがあるような気もする。



思い込みかもしれないけど。






「とにかく、俺はあいつは認めない。
だから別れさせる」



「そんな…」



「でも、お前はお前のやり方でおりはのためとやらを貫けばいいんじゃねぇの」






木下くんはそう言うと、屋上から出ていこうと私に背中を向けて歩き出す。




どうして私や旬佑には敵意を表してこないのか、友達や近づく男が嫌いならきっと私たちも排除されてるはずなのにしない。


むしろこんなに話してくる。




やっぱり木下くんの考えることは分からないけど、思ったより悪い人じゃないような気がするのはなんなんだろうか。






「木下くん、私はあんたを悪魔だと思ってたけど少し違うのかもね」



「さぁな」






屋上から出ていく寸前で私の言葉にそう返して出ていった。




おりはが嫌わない理由がやっぱり木下くんにもあるのかもしれない。




そう、悪魔木下の見方を変えてみるキッカケになった。






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