幼恋。




【おりはside】




椛と話してから戻ってきた架子ちゃんは何を話していたのか教えてくれず
深く聞くことも出来ないまま放課後になった。






「おりちゃん、なんか元気ない?」






今日の放課後は架子ちゃんと旬佑先輩はデートということで私は叶ちゃんと2人で帰っていると、叶ちゃんは心配そうな顔で私の顔を覗き込んできた。






「元気はあるんだけど、色々と考えちゃって…」



「色々?」



「うん、今日椛が架子ちゃん連れ出して話してたりしてて…そんなに仲良かったかな、とか何話したのかな、とか」



「うん」



「あとは、谷くんのこと好きになれるのかなぁとか」






そう言うと、叶ちゃんは頷いて微笑んでくれる。


その笑顔はやっぱり安心できて落ち着くなぁ。






「まず、椛のことだけど、椛が架子ちゃんと仲良くなってたのは嫌だった?」






優しい笑顔の叶ちゃんの質問に、私は少しだけ考える。


椛が架子ちゃんと仲良さそうなのは嫌…では無いけど…。






「嫌じゃないけど、ソワソワする感じかな…。
今まで椛が女の子と2人きりでいるの見た事ないし、興味ないって言ってたし…。
なんかソワソワするの」



「うんうん、自分の知らないところで椛と架子ちゃんが内緒話してたのも嫌?」



「うーん…気には、なるかな…」






自分で言ってて、なんてわがままなんだろうと思った。


そりゃ椛にだって女の子の友達入るだろうし
私に言えない話もある。


それでもなんか、椛の周りにいる女友達と架子ちゃんはタイプが違って変な感じだし…。




幼なじみだからってこんな気持ちになるなんてわがまますぎるなぁ…と少し反省。






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