幼恋。
椛なりの
翌日
私が休み時間に次の授業の準備をしていると
突然私の机の前にとある人が立った。
「沖田ちゃん、ちょっとお話いい?」
「な、なに?」
そう言って裏のありそうな顔で笑いかけてきたのは
椛の小学校からの友人
有澤 奏斗(ありさわ かなと)くん。
椛は不良っぽい友達は多いけど特定の誰かと仲がよくて心を許してるのは、私の知ってる限り有澤くんだけだと思う。
そんな彼が私に話なんて滅多にない事だから身構える。
「俺回りくどいの苦手だから聞くけど〜、谷とこれからも付き合っていたい??
というか、好きになる可能性ある?」
身構える私とは裏腹に、有澤くんは笑いながらそう聞いてきた。
昔から有澤くんは掴みどころのなく、自由な感じだから何を意図して聞いているのかは分からないけど。
「えっと…今のところは好きではない…よ」
「うん、それはわかるんだけど〜
今後好きになる?絶対?」
「絶対好きになるって自信はない…です」
私がそう答えると、有澤くんはニコニコと何を考えているのか分からない笑顔を崩さずに頷いた。
「そっかそっか〜!了解!」
そして、その笑顔を崩さぬまま、1人で何かを納得して私の机から離れていってしまった。
一体なんだったんだろう…。