幼恋。
「あと、谷の件はどうだった」
ヘラヘラと笑う奏斗に頼んでいたもう一つの方を聞くと、奏斗はヘラヘラしたままスマホの画面を見せてきた。
「ビンゴ〜
由佳子ってやつは高校入ってすぐお前に付きまとってきたコイツだったよ〜」
そう言って奏斗の見せてきた画面には、確かに見た事ある女がうつってた。
基本的に女に興味無い俺はいちいち顔なんて覚えてないから記憶を辿る。
「お前さ〜周りの女遊び激しい奴らとも絡んでるから女たらしとか噂広まって、こんな変な女がよってくるんだよ〜」
「仕方ねぇだろ」
「しかも〜椛のことよく知らない奴らは椛が1番女遊びしてるグループのボスみたいだと思ってんじゃん?
まぁボスなのに変わりはないけど〜
俺はお前が悪く言われるのヤだよ?お前良い奴なのにさ〜」
由佳子とかいうやつの記憶を思い出している俺に奏斗はそんなことを言ってきた。
それに俺が応えないでいると、少し口を尖らせて俺を見る奏斗。
「まぁ、そんなガラの悪いのと一緒にいるのも沖田ちゃん守るためなのはわかるけどさ〜
これで沖田ちゃんがお前を選ばなかったら意味ないよ〜」
「意味無いことは無い。
あいつが心から好きで選んだやつなら受け入れる。多分」