幼恋。
本性
翌日
朝と夕方は部活があるからと昼休みに谷くんと話すべく呼び出した。
でもいざ対面するとなんと切り出したらいいものか…。
「俺もちょうど話があったんだよね」
私がなかなか話を切り出せずにいると、谷くんはそう言って笑った。
「俺さ昨日木下くんに絡まれたんだよね」
「椛に?」
「そう、その時おりはと別れるよう言われたり暴力されたり、あることないことおりはの悪口言ってきたりしたんだ」
「そんな…」
椛がそんなこと…?
確かに素行はよろしくない所はあるけど、不用意に悪口だったりとかはあんまり言わない椛がわざわざ呼び出してそんなことを?
なんとなく、谷くんの言葉が信じられない私は首を傾げる。
「それに、おりはのことヤリマンとかビッチとか言ってたなぁ…。
友達っぽい人引き連れて俺ボコボコにされそうだったよ」
ヤリマンとかビッチがどういう意味かは分からないけど、谷くんの感じからして良くないことだろう。
友達というのは多分、有澤くんのことかな?
それを聞いてもやっぱり私の知ってる椛との印象が違いすぎて不思議な感じだ。
「ていうかそもそも別れろなんて言われなくても、おりはのこと好きじゃないし俺。」
「え??」
「俺、木下のこと気に食わなくてさぁ。
あいつを嫌な気分にさせたくておりはと付き合ってやったわけ。
ま、ついでに顔はいいしヤり捨て出来ればいいかと思ってたけど」
そう言ってケラケラと笑う谷くんはいつもの爽やかで優しい谷くんとは別人のようで私の理解が追いつかない。
え、どういうこと??