幼恋。
翌日
私が架子ちゃんの代わりにと残って作業をしていると、松村くんが遅れて教室に戻ってきた。
「あら、本当に架子ちゃんの代わりに来てる」
「松村くん」
「てっきりあんなこと言って自分も帰っちゃうのかと思ってたよ〜」
「そんなことしないよ。
架子ちゃんと約束したし、私が来なかったら松村くんに負担かかってしまうから」
面倒くさそうに飾る写真を選ぶように写真をペラペラめくる松村くんの言葉にそう返すと
松村くんは写真を見る手を止めて私を見た。
「おりはちゃんっていい子なんだね」
と、私の顔をまじまじとみて真剣な顔でそう言ってくる。
突然の褒め言葉(?)に言葉を返せずにいると松村くんは続けて口を開いた。
「入学したてはめっちゃ可愛いのに表情もくらいし友達もできないし、木下に絡まれてるし性格に難アリな子かと思ってたけど
架子ちゃんと絡むようになって明るくなったよね」
「そうかな…」
「うんうん、元から可愛いけどそのおかげで今はファンクラブがあるとか噂もあるよ」
そんな…。
ファンクラブなんて無いでしょ…さすがに…。
と思いつつも否定するのは申し訳なくて曖昧に笑って誤魔化す。
というか入学したてはそんなふうに思われていたんだ…。