幼恋。
「あはは、木下くん怖いなぁ〜
木下くんもたらしだって噂あるよね、俺と同士じゃないの?」
「は、どーでもいいな」
「せっかく顔いいんだから沢山遊ばないと損だよ」
「言われなくても女以外で遊んでるよ」
目の前で繰り広げられる会話に少しひやひやする。
椛と松村くんは絶対に合わないタイプだもん。
それ以上椛を刺激しちゃダメ〜と松村くんに念を送っていると、松村くんはウインクをしてきた。
「俺に惚れた?」
「え、いや…」
なんでそうなるんだ…。
と思わずにはいられない言葉に困惑通り越して笑いに変わってしまう。
「おりはちゃん笑って可愛いなぁ付き合おっか」
「それはちょっと…」
「冷たい態度も可愛いよ
おりはちゃんが付き合ってくれたら俺他の子と別れるよ」
「あはは…」
全く冗談か本気か分からない松村くんに笑いながら返していると、椛から頭を軽く小突かれてしまった。
「喜んでんじゃねぇよ」
「喜んではないよ」
「バカだな」
なんて椛と言い合いをしていると、目を赤くした架子ちゃんが教室に戻ってきた。