幼恋。
文化祭
それから数日経っても架子ちゃんは学校に現れず
とうとう文化祭当日になってしまった。
文化祭のうちのクラスの出し物も椛と有澤くんにも嫌々手伝ってもらいながら完成させた。
そして本番である今日の当番も午前中は椛と有澤くん。
午後からは私と松村くんで分けることになった。
「でもよく椛が係手伝ってくれたね?」
何も予定のない午前中は叶ちゃんと回っているので、架子ちゃんの話をしていると
叶ちゃんは笑いながらそんなことを言う。
私もてっきり手伝ってくれないと思ってたんだけどね
「文化祭あちこち回るのもだるいしどうせ写真展なんて暇だからいい。って言われたの」
椛らしい理由っちゃ理由だよね。
と笑うと、叶ちゃんも苦笑いを返してくれる。
「ま、それだけじゃないだろうけどね」
「??」
「そうそう、僕も架子ちゃんに連絡したけど返事はなかったよ」
叶ちゃんのぼそっと呟いた言葉の意味がわからないでいると、叶ちゃんは思い出したようにそう言葉を続けた。
そう、架子ちゃんはあれ以降学校も来てないけど、連絡しても連絡がつかないのだ。
心配で心配でたまらないけど椛から放っておけと止められて家に行くことは出来なかったんだよね。
でもそっか、叶ちゃんも連絡がつかないんだ…。