入れ替わったら彼の愛情をつきつけられました。
☆☆☆
企画部の部屋に入ると大河はすでに出勤していた。
いつでも一番に出勤して、そして最後まで残っている。
誰よりも仕事をしているし、部下のフォローも忘れない。
優しくて、リーダーシップのある人だ。
美緒は大河の姿にしばらく見とれていたけれど、行き来する社員たちに視線を向けられて我に返り、歩き出した。
「あの……」
大河の席まで近づいて声をかける。
真剣な表情でパソコンを見つめていた大河は美緒の声に気が付いて顔をあげた。
そして驚いた表情で勢いよく立ち上がった。
「陽菜!?」
そういわれ、彼女の名前が陽菜であることがわかった。
美緒はニッコリと笑って紙袋を差し出す。
「これ、忘れ物です」
「え、あぁ弁当か。ごめん、今日は慌てて出てきたから忘れたんだな」
照れ笑いを浮かべて紙袋を受け取る大河に美緒の心臓は大きく跳ねた。
会社ではかっこよくみんなをリードしてくれている大河のテレ顔はレア中のレアだ。
自分だけに向けられたその表情に美緒はまた見とれてしまった。
「でも、途中で落としちゃったから、中身はグチャグチャかもしれなくて」
「そんなの気にしないよ。陽菜が作ってくれたんだ。どんなものでも美味しいに決まってる」
そう言って笑顔になる大河に美緒は複雑な心境になり、一歩後退した。
「じゃあ、迷惑になっちゃうから行くね」
「あぁ。ありがとう」
右手を上げてそう言う大河から視線を外し、美緒は階段へとかけ戻ったのだった。
企画部の部屋に入ると大河はすでに出勤していた。
いつでも一番に出勤して、そして最後まで残っている。
誰よりも仕事をしているし、部下のフォローも忘れない。
優しくて、リーダーシップのある人だ。
美緒は大河の姿にしばらく見とれていたけれど、行き来する社員たちに視線を向けられて我に返り、歩き出した。
「あの……」
大河の席まで近づいて声をかける。
真剣な表情でパソコンを見つめていた大河は美緒の声に気が付いて顔をあげた。
そして驚いた表情で勢いよく立ち上がった。
「陽菜!?」
そういわれ、彼女の名前が陽菜であることがわかった。
美緒はニッコリと笑って紙袋を差し出す。
「これ、忘れ物です」
「え、あぁ弁当か。ごめん、今日は慌てて出てきたから忘れたんだな」
照れ笑いを浮かべて紙袋を受け取る大河に美緒の心臓は大きく跳ねた。
会社ではかっこよくみんなをリードしてくれている大河のテレ顔はレア中のレアだ。
自分だけに向けられたその表情に美緒はまた見とれてしまった。
「でも、途中で落としちゃったから、中身はグチャグチャかもしれなくて」
「そんなの気にしないよ。陽菜が作ってくれたんだ。どんなものでも美味しいに決まってる」
そう言って笑顔になる大河に美緒は複雑な心境になり、一歩後退した。
「じゃあ、迷惑になっちゃうから行くね」
「あぁ。ありがとう」
右手を上げてそう言う大河から視線を外し、美緒は階段へとかけ戻ったのだった。