入れ替わったら彼の愛情をつきつけられました。
☆☆☆
それから大河が帰ってくるまで美緒は暇だった。
掃除でもしようかと思ったが、どこを見てもほこりひとつ落ちていない。
じゃあ料理でもと思って作り始めてみると、普段自宅で食べているのと同じお味噌汁と野菜炒めが出来上がっただけだった。
こんな素敵な部屋にいるからといって突然自分が変わるわけじゃない。
今の美緒にはこれが精一杯だった。
そして6時が少し過ぎた頃、玄関が開閉する音が聞こえてきて美緒ははじかれたようにフソファから立ち上がった。
「ただいま」
玄関に大河が立っている。
自分に向けて『ただいま』と言っている。
まるで夢のような光景にまた頭がぼーっとしてしまう。
美緒は強く頭を振って、笑顔を作った。
「おかえりなさい」
なんだか新婚さんみたいで体が火照ってしまう。
「お弁当ありがとう。おいしかったよ」
差し出されたお弁当箱は軽くなっている。
「中身、偏ってましたよね?」
「そんなの気にならないよ。味は変わらないんだから」
大河はそう言うとごく自然に美緒の額に軽いキスをした。
それから大河が帰ってくるまで美緒は暇だった。
掃除でもしようかと思ったが、どこを見てもほこりひとつ落ちていない。
じゃあ料理でもと思って作り始めてみると、普段自宅で食べているのと同じお味噌汁と野菜炒めが出来上がっただけだった。
こんな素敵な部屋にいるからといって突然自分が変わるわけじゃない。
今の美緒にはこれが精一杯だった。
そして6時が少し過ぎた頃、玄関が開閉する音が聞こえてきて美緒ははじかれたようにフソファから立ち上がった。
「ただいま」
玄関に大河が立っている。
自分に向けて『ただいま』と言っている。
まるで夢のような光景にまた頭がぼーっとしてしまう。
美緒は強く頭を振って、笑顔を作った。
「おかえりなさい」
なんだか新婚さんみたいで体が火照ってしまう。
「お弁当ありがとう。おいしかったよ」
差し出されたお弁当箱は軽くなっている。
「中身、偏ってましたよね?」
「そんなの気にならないよ。味は変わらないんだから」
大河はそう言うとごく自然に美緒の額に軽いキスをした。