入れ替わったら彼の愛情をつきつけられました。
美緒は鼻歌を歌いながら1人分の朝食を準備し、大河の作ってくれたスクランブルエッグを口に入れた。


バターを溶かして焼いているようで、口に含んだ瞬間いい香りが抜けていった。


「うん。美味しい!」


かっこよくてスタイルもよくて仕事もできて、こんな素敵な部屋に住んでて、おまけに料理上手。


大河にファンクラブができるのも納得だった。


それから会社に連絡を入れて今日も休ませてもらうよう伝えた美緒は、リビングのソファに座って昨日と同様に仕事のメールをチェックしていた。


重要度の高いものから順番に返信していくと、あっという間に10時近くになっている。


「いけない。お洗濯しないと」


今日は家事がなにもできていないことを思い出して慌てて立ち上がる。


洗濯機をまわしている間に広くて清潔な浴槽を掃除して、リビングダイニングに簡単に掃除機をかける。


洗濯は乾燥まで全自動になっているので、1時間経ってもそれでもまだ止まらない。


他に掃除したほうが言い場所はあるかな?


そう思って部屋の中を見回したとき、ブルーの布が目に入った。


それが大河のお弁当の包みだと気が付いて、息を飲む。
< 33 / 66 >

この作品をシェア

pagetop