入れ替わったら彼の愛情をつきつけられました。
「嘘でしょ……」


美緒はガックリと力をなくして床に座り込んでしまった。


男性向けの大きなお弁当でも、きっちり半分はおかずを入れないといけないと思ってしまった結果だった。


ガッツリ食べたい男性なら、むしろお米を沢山入れるべきだった。


だけど人にお弁当作ったことなんてない美緒には、それがわからなかったのだ。


できたてのお弁当を見て泣きそうになってしまうのをこらえる。


どう頑張ってみても自分は陽菜に負けている気がしてならない。


仕事にしても、美緒は会社に雇われているけれど、陽菜は自分の好きなことを自分で仕事にしている。


いろいろなところで劣等感が生まれて慌てて左右に首を振ってかき消した。
< 35 / 66 >

この作品をシェア

pagetop