天然お嬢と双子の番犬さん
…そう思ってたんだけど。
男子生徒の視線は完全に先生の胸元。あえてそう言うワイシャツなのか、はち切れそうな雰囲気まであった。
「それではぁー…この問題をぉー…」
それと、今日は先生の母音が凄く多い。
あとちょっと化粧も濃いめ。リップ真っ赤。
わざとなのかなぁ…。
先生って確か独身だったから…あっ、そっか!彼氏でも出来たのかな?そっか~、それで気合入れてるんだね!
「東雲和くぅん!」
自分の名前じゃないのにビクッ。
「前に来て書いてくださぁい」
あちゃー…。
鉛筆すら持たず、教科書すら開いて無い。ズボンのポケットに両手を突っ込み、椅子に座っていた和。ちなみにその後ろの湊は爆睡中。
そんな和に答えられるはずがない。