天然お嬢と双子の番犬さん
中々立ち上がらず先生を睨む和。殺気が籠ってないから、普通に見てるだけかも。
あ!やっぱ和も胸元気になるのか!男の子だもんね!仕方ないか!
「和くん~?早くこっちに来てくださぁい」
先生が手招きしてる。
和は行く気ゼロ。
「ちょっと、和!」
小声で話しかけると、こっちを向いた。
「先生呼んでるよ?」
「分からないしいいかなって」
やっぱわからないんだ。
…だと思ったけど!
メモ帳を取り出し、解き方と答えを書いて渡す。
「これ、答えだから」
「へぇ~」
いや、へぇ~じゃなくて。
「黒板にこれ書いてきて!」
「あー…、あの女の隣で?」
あの女って…先生なのに!
年齢は同い年ぐらいだろうけどさ!
「早く…、」
プ~ン、と香ってきたのは香水の匂い。
鼻を摘まみたくなるほど強烈な匂いだった。