天然お嬢と双子の番犬さん
…何に対しての良かったなのかな?
「もう帰れよ。お兄ちゃんが待ってるんだろ」
「でも…」
まだ片付け終わってないよ。あと五冊ぐらいだけど。
なんて思っていたら今度は手のひらにキス、からのペロッと舐められた。
「本当は帰したくないけど…どうせ少しの辛抱だしな」
え?え??今…舐めた?
こういうのは初めて。パパはこんな事したこと無いし、勿論二人からもされた事なんて無かったから。
「丞く…ぎゃぅ!?」
「へぇ、噛んでようやく反応するのか。りょーかい」
急に小指噛んできて、なにそれ!
振り解き、帰り支度。終わってから丞くんに小さく手を振る。
「…花、」
「え?あ、はい!」
ドアを閉め切る前に呼ばれたから吃驚。丞くんはまた笑う。
「俺気に入ったのは意地でも手に入れる主義だからさ…頑張って逃げろよ?」
…?、どういう意味?
丞くんはそれだけ言うと軽く手を振った。