天然お嬢と双子の番犬さん
突然起き上がって来て吃驚した。
頭だけ肩の方に落としてきた。
「やま…痛っ!?」
首筋の方に痛みが走った。
離れてすぐに首を抑える。
結構痛かったけど…もしかして噛まれた!?
な、なんで!?
離れた和と目が合った。
何度見ても綺麗な顔してる。
お世辞なんかじゃない。本当に綺麗な顔。だからだと思う。
笑った顔じゃなく、真剣な顔をする和にドキドキしてしまうのはきっと生理現象。
「…着替えておいで。このまま歩き回ったらまた同じことするよ」
また噛まれるって事!?
それは嫌…あ゛ッ!
立ち上がり、腕を引っ張る。
「ッ!?お嬢!僕の話聞い──」
「猫が!猫さんが木にぶら下がってたの!」
命がけの猫さんを差し置いて!のうのうと着付けなんて出来ないって!