天然お嬢と双子の番犬さん


体の重心が後ろへ。このままだと、露天風呂の岩に頭当たってしまう。でももう…この状態で体制を変えるなんて無理。


あ、やば…、



「「お嬢‼︎」」



二人の声の後に、バッシャーン。
頭からお湯をかぶった。



「び、びっくりしたー…」



間一髪。

引っ張ってくれなかったら確実に頭パッカーンだった。抱き寄せてくれた二人に大感謝。



「さすが、和と湊だね!」

「…そりゃどうも…」

「……へいへい…」



大きな溜息をついた。



「もう入っちゃったし!一緒に入ろ!」

「何でそうなんだよ…」

「…いや、もう本当辞めて…」



今出たら寒いでしょ!風邪引くよ!和この間風邪っぽかったみたいだし!

立ち上がらろうとした二人の首に抱きついた。



「昔は一緒に入ってたじゃん!」

「むか、しはね!?今はちが…!」

「何で今は駄目なの!?」

「ッ、訳がちげぇだろ!」



何が違うの!



「昔とは身体つきが違うんだって…!」

「そりゃそうだよ!だってもう16だし!」

「わか、ってんなら離れろ!」

「嫌だよ!離れたら行っちゃうでしょ!」



力いっぱい抱きしめた。
離すもんかと、体を密着させて。



「「…ッ、行かねーから!」」



やった!粘り勝ち!


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