天然お嬢と双子の番犬さん
触れたのは腹筋。
知らなかったなぁ。
二人共筋肉凄いあったんだ。
ん?なんだろこの傷みたいな…。
「っ、ストップ!」
手の動きを止めた。
顔が真っ赤。
二人の頬に手を当てる。
「大丈夫?もしかしてのぼせた?」
大変だ!早く上がって…、
立ち上がろうとしたけど、肩を掴まれた。
「お願いだからこの距離で立たないで。もう一杯一杯なんだからさ」
「やめろ。こっちは限界に近いんだよ」
大丈夫って言うならいいんだけど…。
また顔を逸らす二人の間で、手を広げてじっと見た。
二人のお腹に小さい傷みたいなの沢山あった。それって、沢山私の事を守ってくれてるって事なのかな。
パパはよくありがとうと言って、私の頬にキスをする。
それはきっと心からの感謝の意味だよね?
チャプ──、
左右別々の方向を見ている二人の頬にキスをする。目を見開く二人がこっちに顔を向けた。
「いつもありがと。和、湊。大好きだよ」
精一杯の感謝を込めて。
満面の笑みで言った。