天然お嬢と双子の番犬さん
伝わらなかったらどうしようかと思って、声にも出してみた。きっとこれで伝わってるよね。
…うぅ、寒い。
キスをするのに上半身少し出したから、夜風に当たって寒かった。
もう一度入ろうとした時、和に手首を掴まれた。
「…僕達の事好きなの?」
「う、うん。好きだよ?」
大事な家族だもん。
二人は笑ってない。怒ってるわけでも無いと思うけど…変な感じがする。
「和?湊?どうし…うわっ!?」
今度は滑った訳じゃない。
お湯の中で、お腹に手が回ったから。
フィットしたのは湊の体の中で、後ろから掛かる息が近い。
「みな、と!離し…!」
見えていない。気にしてない。と言っていても、流石に抱きしめられるのは違う。体が密着していて急に恥ずかしくなってきた。
「見てほしんだろ」
「っ、湊!声近い!」
顔見えないのに声だけが聞こえる。くすぐったいし、ゾワゾワするし…辛い!
「い…いい加減にしないと!」
「なーに?」
和の顔が目の前にあった。
濡れた髪が鼻に当たる。
あまりにも近くて思わず固まった。
後ろは湊、前は和。
今挟まれてる…逃げられない。