天然お嬢と双子の番犬さん
ブチッ!
アニメでも聞くことが珍しい血管が切れるような音と、竜二の身震いする殺気。
廊下にいた奴等は驚き露天風呂付近から颯爽と離れて行く。
「俺の…娘に…」
「親父待って。ちが」
湊が青ざめながら、花の耳を塞いだ。
ハテナで沢山の花には何も聞こえない。
「何してんだゴラァア‼‼」
耳がキーンとなる音に五十嵐組全員が肩を震わせる。小さな虫でさえ危機を察知、退散。唯一リンだけは欠伸をした後丸くなった。
殴りかかってきた竜二の手を何とか掴む和。何も聞こえない花だが、竜二が怒っているのは分かった。
「お、親父!何もしてないから!」
「あ゛あ⁉説得力の欠片もねぇな‼」
焦った花が立ち上がる。
「ちょっと待って!何があったの!」
三人は花の身体を思わず凝視。
角度的に和は胸、湊は尻──、
「「…ッ!」」
「だあああ‼花ぁ‼立つなぁあ‼」
その後半裸状態のまま、和と湊は激おこ竜二パパに正座させられ、ほぼ三時間ほど怒鳴られていたらしい。
──後に「命があるだけ有難い」と五十嵐組メンバーは語っている。
***