天然お嬢と双子の番犬さん
鼻歌交じりでDVDをセットする。
見る前にポップコーンとジュースも用意した。これで完璧である。勿論リンも準備万端。私の座る予定の場所で待っている。
「…お嬢、」
振り返ると和と湊がリンの間を開けてベッドの前で座ってる。二人が私の部屋に来るのは大分久しぶり。ちょっと緊張気味に見えた。
「……僕達も見なきゃダメ?」
「ダメだよ!面白いから!」
「…三部見たって分かんねぇだろ」
「大丈夫大丈夫!
途中から見てもわかるやつだから!」
主人公も重要人物も亡霊も、毎回変わってるからね。あらすじは似てるし名前もシリーズ系だけど、中身は全然違うから!私的には一作目の女優さん好きだったなぁ…名前なんだっけ?
再生ボタンを押すとすぐに上映スタート。慌てて二人の間に入る。リンは私の膝の上に乗った。
出だしから怒涛の亡霊ラッシュ。
思わず吃驚しちゃう登場。
…ん?なんか、
段々狭くなってない?
隙間が段々狭くなってる気がするんだけど…。
「和、湊ちょっとせま」
『キャアアアア‼‼』
「「っっ!?」」
突然の叫び声で視界も悪くなった。
「え、ちょ…」
和が背後から抱きしめて来てて、湊には前から抱きしめられてる。とんでもなく視界が悪い。