天然お嬢と双子の番犬さん
「花…やはり車を出そう。
そうすれば怖い思いをしなくて済むんだ」
「だからそれは嫌なの!また中学の時みたくパパの事嫌いになるよ?」
「よし、駄目だ。やめよう」
友達いなくなったのはパパが勝手に手配したから。
恨んでたわけじゃないけど。ちょっと病んじゃって「パパ嫌い!」って言ったら切腹しようとしてたなぁ。
全員総出で止めたけど。
「でもなぁ…このまま放置しておくわけにも行かないだろう?」
それは、分かってる。
私だって好きで誘拐されているわけじゃないもの。
「一人二人なら、私だって何とかなるんだけど…一斉に沢山の人とか、巨漢の人が来ちゃうとどうしても力負けしちゃって」
こう見えても極道の娘。
それなりに護身術は磨いてる。
でも一斉に来られたり、巨漢な人とか来たらもうどうしようもない。極道相手になっちゃうと、抵抗する事も出来ずに連れ去られる。
私は女だし、面と向かって男の人相手には流石に勝てないよ。