天然お嬢と双子の番犬さん
毛繕い中のリンに「先に行くね」と声掛けしてから部屋を出た。リンの為に少しだけ隙間を開けておく。
今日のご飯はなんだろなぁ。昨日はお粥しか食べて無かったからお腹ペコペコ。
天気が良くて目がチカチカした。
カコン。
ししおどしが音を立てた。
…和と、湊だ。
ガラス戸を開け、二人に駆け寄った。
慌てて出たからサンダル履き損ねた。
「和!湊!」
「「…お嬢?」」
…怪我、してる。
絆創膏とガーゼが顔に貼ってあった。
「お嬢、もう大丈夫なの?」
「まだ寝て…、」
背伸びをし手を伸ばす。大きなガーゼが貼られた頬に触れた。痛みを感じたのか一瞬顔を歪ませた。
「…ごめんね。私のせいで怪我させて」
「「違う」」
…違くないよ。
私が二人に怪我させたの。
「僕があの時無理矢理にでもお嬢を引き留めれば良かったんだ」
「ううん。和と湊は悪くない。私が手を振り解いたから…」
「違う。俺が…手を離したからだ」