天然お嬢と双子の番犬さん


和と湊は悪くないの。
呑気で居た私が悪いの。




「…お嬢、もう僕達といるのは辞めた方がいいかもしれない」


「ど、どうして?パパが何か言ったの…?」



二人は同時に首を横に振った。



「じゃあ、どうして?」



目を伏せる二人。




「俺等はお嬢を守れなかった」

「それに…、」




”毎日毎日簡単に攫われてさ、みんな花ちゃんに嫌々付き合ってるんだよ”




──やっぱり、そうなの?
本当は嫌々付き合ってくれていたの?


私が迷惑ばかりかけるから…、




また私を置いて何処かに行くの?





ポタッ。




大きな雫が落ちた。
驚く和と湊。

浴衣の袖を握り締めた。何処にも行かないように、しわになるぐらい強く。




「──私の事嫌いになったの?」




もう涙なんて出ないと思った。だけどまだ乾いてなかったみたいで、溢れて零れて。言葉を発するのに時間がかかる。




「それとも…最初から、仕方なく私と一緒にいたの…?」




私がパパの娘だから?
傍にいてくれたの?

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