天然お嬢と双子の番犬さん
二人が私のお世話係になったのは、あの人が行ってからだった。
若頭だったあの人が居なくなって、次の若頭になったのが和と湊。その時はまだ一緒にはいなかったけど。
中学二年生の頃かな?二人が私に付き添ってくれるようになったのは。
…無理矢理だったのかな。
私が我儘ばっか言うから、パパが心配して二人を傍に置いてくれた。きっと和と湊にとってそれは迷惑だったんだ。
「ッ、違う‼」
ビクッ!
湊の大声に目を見開いた。
和は私の涙を拭ってくれた。
「僕達が親父に頼んだんだよ。お嬢の傍に置いてほしいって」
「それなら…!」
どうして私から離れようとするの?
「…親父との約束を破った」
「先に破ったのは私だよ!」
手を離すな、と言われていたのに。振り解いてしまった。
「手を離したのは──、」
「違う…違うんだよ」
私を守れなかった、って事じゃないの?