天然お嬢と双子の番犬さん
眉がわずかに動く。悲しい顔…もしかしたら辛い方かもしれない。二人にそんな顔をさせたのは私のせいだ。
手を離したら本当に離れて行きそうな気がしてならない。
──…っ、
嫌だよ。
離れたくない。
「私は…二人の傍に居たいよ」
涙が溢れて止まらない。
和と湊が何処かに行っちゃうんじゃないかって、そう思うだけで悲しくて辛かった。
「お嬢、僕達は──、」
「嫌だよ!」
その先を聞くのが怖かった。だから言葉を遮った。
「ちゃんと言う事聞くから!迷惑もかけないから!」
和と湊が言う前に、と思った。
それに今なら声が出るから。
これ以上泣いてたら、その内声が詰まって出にくくなるその前に言わないと。
「──ッ、
もう二人から絶対離れないから。
絶対一緒にいるから…!
お願いだから…私から離れて行かないで…、」