天然お嬢と双子の番犬さん
「お嬢は僕達に傍に居て欲しいんだよね?」
和は確認事項の如くそう言った。
私はこくんと一度だけ頷く。
「じゃあ、僕達から離れないでね?」
「そうしたら和と湊は一緒に居てくれる?」
一緒にいるのは辞めよう、とかもう言わないよね?
「ああ、お嬢が離れないならな」
「わ、分かった!和と湊から離れないようにする!だから…」
「分かってる。ずっと一緒にいるって約束する。あと前に言った事覚えてる?」
お風呂の時の話かな?かっこいいとか駄目だって言ってた時の。
「五十嵐組以外の男と話したら駄目だからね?いい?」
「でも、昨日…、」
話しちゃった。
ヤコポって人と。
「俺等が遅れたのが悪かっただけだ。気にしなくていい」
ホッとした。怒られると思ったから。
和が私を抱え上げた。
足についた砂がパラパラと落ちる。
湊は足の裏の砂を払ってくれた。